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Labor Unit Price / Complete Guide

公共工事設計労務単価を、
計算・調査・地図から理解する

何を足して単価になるのか、どんな標本を集めるのか、県別地図をどう読むのかを、公式資料に沿って1本に整理します。

令和8年3月から適用円/所定労働時間内8時間47都道府県

公共工事設計労務単価は、個人の給与や工事会社の請負金額をそのまま示す数字ではありません。調査対象工事で実際に支払われた賃金を職種・地域ごとに確認し、8時間当たりにそろえて集計した、公共工事の積算に使う基準単価です。このページでは、単価の中身とデータのつくられ方を確認したうえで、47都道府県の地図を読めます。

1. まず単価の意味を知る

公共工事設計労務単価とは、公共工事の工事費を積算するために、都道府県別・職種別に設定された基準単価です。建設現場で実際に支払われた賃金の調査結果をもとに、比較できる形へ整理して公表されています。

そのため、個人の手取り額、求人票の月給、会社が受け取る請負金額をそのまま表す数字ではありません。単価の「何が含まれるか」と「どのデータを集計したか」を分けて読むことが、地図やランキングを誤解しない最初のポイントです。

このページでは、令和7年10月調査を基礎に令和8年3月から適用された資料を対象に、計算式・サンプル収集・公表値の集計・県別ヒートマップを一つの流れで説明します。

2. 地図で県別単価を見る

職種を選ぶと、地図・最高値・最低値が切り替わります。都道府県を選択すると、その県の単価と全国順位を確認できます。仕事内容の説明も職種の下に表示するので、職種名だけで比較せず、作業内容まで確認してください。

特殊作業員仕事内容を読み込んでいます。

地図を読み込んでいます…

地図を選択すると都道府県ごとの単価を表示します。

トップページの地図は選択した職種の比較用、こちらの地図は単価の意味や出典を確認しながら読むための詳細版です。設定のない職種・都道府県は、ランキングや平均の計算から除いて表示します。

3. 単価を構成する4要素

令和8年3月適用の国土交通省資料では、公共工事設計労務単価を次の4つの要素で説明しています。

公共工事設計労務単価=基本給相当額+基準内手当+臨時の給与+実物給与

①基本給相当額・②基準内手当は所定労働時間内8時間当たり。③臨時の給与・④実物給与は労働日数1日当たりで整理されます。

公共工事設計労務単価を構成する4要素
要素意味単位の考え方
基本給相当額通常の労働に対する基本的な賃金部分所定労働時間内8時間当たり
基準内手当その職種の通常の作業条件・作業内容に対する手当所定労働時間内8時間当たり
臨時の給与賞与など、定期の賃金とは別に支給されるもの労働日数1日当たり
実物給与食事の支給など、現金以外で支給されるもの労働日数1日当たり

この式は、単価に含める賃金の範囲を示す「構成式」です。個人の給与明細を単純に足して、その人の月給や請負金額を求める式ではありません。

4. 8時間換算と含まれない費用

現場や会社によって所定労働時間、手当の支払い方が異なると、そのままでは賃金を比較できません。そこで、有効とされた標本を所定労働時間内の8時間当たりに換算してから、同じ都道府県・職種のデータを集計します。

このサイトの表示単位も「円/所定労働時間内8時間」です。8時間を超える残業、休日・深夜の割増賃金や、会社側の諸経費を足した金額ではありません。

説明用の仮例

仕組みをイメージするため、仮に4要素が次の金額だったとします。公式の個別算定例ではなく、式の読み方だけを示す例です。

基本給相当額18,000円
基準内手当1,000円
臨時の給与800円
実物給与200円

仮例の合計は20,000円。ただし実際の公表単価は、こうした個別データを有効標本として確認・換算・集計した結果です。

単価に含まれないもの

  • 時間外・休日・深夜の割増賃金
  • 通常の作業条件を超える特殊な手当
  • 法定福利費の事業主負担分、研修訓練費など
  • 現場管理費・一般管理費などの諸経費

5. サンプルの単位

ここでいう「サンプル」は、47都道府県×51職種の空欄を埋めるための架空データではありません。調査対象となった公共工事に実際に従事した労働者の賃金記録を、職種・地域などの区分で整理した一人単位の標本です。

公共事業労務費調査のサンプル単位
区分この調査での意味
調査対象工事二省や自治体等が所管する公共工事。令和7年10月調査の資料では、1件当たり1,000万円以上の工事を母集団として無作為抽出しています。
調査対象労働者調査月に対象工事へ従事した建設労働者。元請・下請(警備会社を含む)を問わず、51職種が対象です。
1標本対象労働者1人分の賃金支払い実態を、調査票・確認資料で扱う単位です。公表資料の「有効標本数」は人で数えます。

したがって、標本数は「県の数」でも「職種の数」でもなく、調査対象工事から得られた労働者の記録数です。標本数が十分でない職種は、集計結果を公表単価の設定に使えない場合があります。

6. 収集から集計までの6段階

国土交通省の公共事業労務費調査では、金額だけを集めるのではなく、どの工事の、どの労働者の、どの期間の支払いかを確認できる形で調査します。

  1. 01
    対象工事の母集団をつくる

    対象となる公共工事のうち、調査時点で施工中の工事を母集団として整理します。令和7年10月調査では、1件当たり1,000万円以上を選定母集団としています。

  2. 02
    工事を無作為に抽出する

    母集団から調査対象工事を無作為に抽出します。未着工・完了など調査上無効になった工事は、有効工事件数から除かれます。

  3. 03
    対象労働者を職種に分類する

    対象工事に従事した労働者を、調査票の51職種の定義に沿って整理します。職種名だけでなく、実際の作業内容との対応が重要です。

  4. 04
    賃金台帳から調査票へ転記する

    請負業者(元請会社・協力会社)が、賃金台帳などの確認資料をもとに調査票を作成します。調査票には入力ミスを防ぐチェック機能も用意されています。

  5. 05
    記載内容と資料を照合する

    会場調査やオンライン調査などの方法で、調査票の記載内容と確認資料を照合します。賃金台帳の不備などにより、不良標本が単価決定から除かれます。

  6. 06
    有効標本を換算・集計する

    有効標本を所定労働時間内8時間当たりに換算し、都道府県別・職種別に集計。その結果を基に公共工事設計労務単価を決定します。

後から集計の根拠を追えるようにするには、金額だけでなく、対象工事、調査月、職種定義、所定労働時間、確認資料の有無、有効・棄却の判定を同じ記録に紐づけておくことが重要です。

7. 調査の規模と注意点

令和8年3月から適用する単価の基礎となった令和7年10月調査では、全国で次の規模のデータが公表されています。

有効工事件数10,031件
有効標本数85,670人
棄却標本数16,595人
棄却率16.2%全標本に対する比率

棄却率は、棄却標本数を有効標本数と棄却標本数の合計で割った比率です。棄却されたデータを有効標本と混ぜずに管理することで、単価の集計に使った範囲が明確になります。

なお、令和8年3月適用資料では、十分な有効標本数を確保できなかったため「建築ブロック工」は公共工事設計労務単価として設定されていません。設定なしを、単価がゼロという意味で読まないよう注意が必要です。

8. 地図・順位の読み方

地図の色は、選択した職種について、設定のある都道府県を単価の低い順から5段階に分けたものです。色の段階は職種を変えると変わるため、別の職種と色の濃さだけを直接比較しないでください。

金額の単位は「円/所定労働時間内8時間」です。全国順位は、同じ職種・同じ適用時期で設定のある都道府県を金額の大きい順に並べた順位です。
  • 地域差を見るときは、まず職種と適用年月をそろえる。
  • 濃い色は、その職種の中で相対的に高いことを示し、生活費や工事費全体の高低を直接示すものではない。
  • 「設定なし」はランキングの最下位ではなく、公表単価が設定されていない状態。
  • 職種名が似ていても作業内容が異なるため、地図上の仕事内容の説明と公式の職種定義を確認する。

9. このサイトのデータと出典

建設データでは、個人が特定される賃金台帳や調査票の個票を収集・掲載していません。公式資料で公表された都道府県別・職種別の単価表を読み込み、地図とランキングにしています。

分析用データをつくるときの最低項目

  • 調査年・適用年月・調査月
  • 都道府県コード・職種コード・作業内容の確認
  • 賃金の構成要素と所定労働時間
  • 対象工事の抽出条件、元請・下請の区分
  • 確認資料の種類と、有効・棄却の判定理由

個人別の給与情報を扱う場合は、目的・権限・保管期間・アクセス範囲を先に決め、公開用データは集計・匿名化してください。公式調査の手順を再現したい場合は、最新年度の手引きと調査票を必ず確認します。

表示値は、令和7年10月調査を基に令和8年3月から適用された公式資料のスナップショットです。改定時は適用年月を明記して更新します。

職種を選んで県別の単価を一覧する

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