トラブル対策

工事写真のよくある失敗事例と回避策:提出後のトラブルを防ぐ

工事写真のよくある失敗事例と回避策:提出後のトラブルを防ぐ

「完了検査前夜、必要な写真がないことに気づいた…」
現場監督なら誰もが一度は背筋が凍るような経験をしたことがあるかもしれません。工事写真は「撮り直しが効かない」一発勝負の世界です。コンクリートを打設してしまえば、中身の鉄筋を見ることは二度とできません。

本記事では、先輩たちが涙を呑んで積み上げてきた「失敗事例」を教訓とし、同じ轍を踏まないための具体的な回避策を伝授します。

1. 撮影に関する失敗:痛恨の「撮り忘れ」と「ピンボケ」

失敗事例①:隠蔽部の撮り忘れ

  • 状況: 基礎コンクリート打設後、検査官から「砕石の厚さを確認できる写真はあるか?」と聞かれたが、撮っていなかった。
  • 結果: コア抜き検査(コンクリートに穴を開ける)を行い、さらに始末書の提出となり、信用の失墜と工期の遅延を招いた。
  • 対策: 日々の「撮影計画」が全てです。朝礼時に「今日はどの工程で、どの黒板を使って、何の写真を撮るか」を確認する習慣をつけましょう。「撮影リスト」を作成し、撮ったらチェックするアナログな手法も依然として有効です。

失敗事例②:ピンボケ・黒板の文字判読不能

  • 状況: 雨天時の撮影でピントが合っていなかったり、チョークの文字が雨で流れて読めなかった。
  • 結果: 「証拠能力なし」とみなされ、再提出を求められた。最悪の場合、工事点数が減点される。
  • 対策:
  • デジカメのモード活用: 「マクロモード(接写)」や「夜景モード」を活用する。
  • 電子小黒板の導入: 電子小黒板なら、雨で文字が濡れることも、逆光でハレーションを起こすこともありません。常にクッキリとした文字で記録できます。

2. 管理・整理に関する失敗

失敗事例③:SDカードの破損・紛失

  • 状況: 工事完了直前、データを保存していたSDカードを紛失してしまった。バックアップは取っていなかった。
  • 結果: 致命的。協力会社の職人さんに頼み込んで、可能な範囲で証言を集めたり、参考写真を提出したりしたが、大幅な減点は避けられなかった。
  • 対策: 前述の「3-2-1バックアップ」の実践に加え、クラウド同期系の工事写真アプリを使うのが最強の対策です。スマホで撮った瞬間クラウドに飛ぶため、端末をドブに落としてもデータは無事です。

3. 提出時の失敗(電子納品)

失敗事例④:画像の加工(改ざん)疑い

  • 状況: 写真が見えにくかったので、Photoshopで明るさを調整して提出した。
  • 結果: 「画像の編集」とみなされ、改ざんを疑われた。
  • 対策: 国交省の基準では、原則として画像の加工は禁止です(回転や切り取りもNGな場合が多い)。ただし、電子納品対応ソフト上の「公式な機能」としての補正(信憑性確認情報を保持したままの補正)なら認められる場合があります。自己判断でのレタッチは絶対にNGです。

まとめ:失敗は「準備不足」から生まれる

多くの失敗は、撮影の腕が悪いからではなく、「事前の準備不足」と「知識不足」から起こります。
「何を撮るべきか知っている」「万が一に備えてバックアップをとっている」「ルールの範囲内を知っている」。この3つを徹底するだけで、トラブルの9割は防げます。安心して枕を高くして眠れるよう、万全の対策を行いましょう。


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