現場の失敗図鑑

ボタンを離しても、クレーンが止まらない

コンクリートパイルを運ぶ工場で、天井クレーンが逸走。つり荷が近くの作業者に激突した死亡災害です。操作器だけでなく、制御装置の点検まで考えます。

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天井クレーンがボタンを離しても動き続け、つり荷が作業者に激突した災害を6コマで再構成。原因は接点の溶着と電磁接触器の点検未実施。部品点検・交換、外部検査への指示と結果確認、非常停止付き操作器を示す。
セツビズによる教育用再構成。人物・台詞・配置は説明用の描写です。
出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」事例No.101688(令和7年6月19日追加分)。

何が起きた? なぜ止まらなかった?

厚生労働省の事例No.101688では、つり上げ荷重26.8トンの天井クレーンでパイルを搬送中、クレーンが逸走。近くで作業していた1人が死亡しました。

公式に示された原因は2つ

  1. 制御装置の電磁接触器で接点が溶着し、無線式操作器のボタンから手を離しても動き続けた。
  2. その電磁接触器の点検が行われていなかった。

接点の溶着とは、接点がくっついた状態になること。漫画の接点図は説明用のイメージです。

対策は、操作器と点検の両方から

公式事例の対策を、確認する順番に整理しました。

  1. 制御装置を点検し、劣化した部品を交換

    定期自主検査指針に沿って、電磁接触器の接触子、継電器の接触片、コントローラー、操作用開閉器などを点検。劣化があれば交換する対策です。

  2. 外部検査でも、依頼内容と実施結果を確認

    必要な検査項目を具体的に指示し、何を実施したか、どんな結果だったかを確認する対策です。

  3. 非常停止ボタン付きの無線操作器を用意

    非常時に直ちに押せるようにする対策です。機種への適合や配置・扱い方は、取扱説明書と現場の手順を確認してください。

操作器の購入だけで原因が解消するとは限りません。点検・交換と、依頼・確認の仕組みを合わせて検討します。

この事例は被災者なし。鋼板の下に作業者はいませんでした。

鋼板落下のヒヤリハット
巻上げが止まらずロープが切れて鋼板が落下したが、下に作業者がおらず被災者はなかったヒヤリハット。制御接点と巻過防止装置の異常、非常停止操作未実施、点検・整備と訓練を示す教育用再構成。
セツビズによる教育用再構成。漫画の台詞・人物・配置は説明用の創作です。原文の発言を記録したものではありません。
出典:厚生労働省「職場のあんぜんサイト」ヒヤリ・ハット事例 hiy_0480。

公式事例の事実・原因・対策

hiy_0480では、20トンの天井クレーンで鋼板をつり上げ中、ボタンを離しても巻上げが続き、ロープが破断しました。

  • 制御装置の電磁開閉器の接点が固着。
  • 巻過防止装置は、間接式リミットスイッチが固着し、直動式は無効化されていた。
  • 非常停止操作が行われなかった。

公式の対策は、制御部品の点検・劣化交換、巻過防止装置を有効に保つ点検・整備、外部検査の具体的な依頼と結果確認、非常停止操作の定期的な訓練です。

セツビズの確認視点:操作器だけでなく、巻過防止装置の有効性と非常停止の訓練記録も、専門担当と確認する資料に含めます。

原因に合わせて、対策の焦点を分ける

公式事例の記載を要約した比較です。被害の有無と、機械・点検の段取り・荷の移動を分けて読みます。

小さい画面では、表を左右にスクロールして比較できます。

公式4事例の原因と主な対策
事例・結果原因・危険対策の焦点
No.101688:逸走死亡1人電磁接触器の接点溶着、点検未実施制御部品の点検・交換、外部検査の確認、非常停止付き操作器
hiy_0480:巻上げ継続被災者なし制御接点・巻過防止装置の異常と無効化、非常停止未実施安全装置を有効に保つ点検・整備、非常停止訓練
No.101134:点検中の他者操作死亡1人元電源未遮断、禁止表示・事前連絡の不足運転禁止と表示(ロックアウト・タグアウト)、関係者との打合せ
No.101222:荷振れへの近接死亡1人無資格運転、計画・打合せ・手順教育の不足有資格者の運転、作業計画と事前確認、標準手順・安全教育

比較表は対策を選ぶ入口です。作業の安全確認や運転再開を承認するものではありません。

あなたの現場では、説明できますか?

  • 直近の点検記録に、電磁接触器の確認項目はある?
  • 外部へ任せた検査の項目・結果を、誰が確認している?
  • 非常停止の位置と、異常時の退避・報告手順を共有している?

漫画を読んだ、その次に

点検を相談する前に整理する項目

事業場の責任者やクレーン保守の専門担当へ相談するときに、分かる範囲で準備するメモです。

記録・資料を準備する

チェックは資料準備の目印で、点検完了や運転再開の判定ではありません。現物の分解や通電試験は行わず、必要な確認を専門担当へ相談してください。

関連するクレーン事例を読む

同じクレーンでも、原因に合わせて確認する内容を分けます。

出典と、このページの使い方

厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例 No.101688
原文確認:2026年10月5日

漫画・文章はセツビズによる教育用再構成です。厚生労働省が本ページや商品・サービスを推奨するものではありません。

個別設備の点検方法や法令への適合は、取扱説明書・現場手順と専門担当の確認を優先してください。異常時は荷や装置に近づかず、現場の停止・退避・報告手順に従ってください。

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